2020年7月の羅臼湖

 7月に入って、あまり雨が降っていません。その影響か、羅臼湖登山道にある二の沼が干上がりかけていました。雪解け水や雨水が主な供給源で河川や地下水供給がないため降雨量が少ないと干上がってしまうことがあります。あと数日もつかどうかというところでしょうか?三の沼は地下水供給があるため水位が一定です。周辺の湿地ではモウセンゴケの花が見ごろを迎えていました。食虫植物であるモウセンゴケは葉がしゃもじ型をしていて粘液があります。その粘液で小さな昆虫を捕らえて消化していきます。よく探してみるとエゾルリイトトンボが身動きできなくなっていました。ハイマツ帯では、マツの実が豊作で、ギンザンマシコの姿を見ることができました。日本では、北海道の高山帯で観察できる野鳥です。なかなか遭遇しないレアな鳥なので、ラッキーでした。くちばしが丈夫なためマツの実の殻を剥いで中の種子を食べていました。



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藤川

食べ物を探すヒグマ

 海岸草原を歩いていると、単独のヒグマと遭遇しました。この時期、ヒグマはエゾノシシウドなどのセリ科草本を食べていることが多いですが、知床半島では、エゾシカの影響により海岸植生の多くが失われています。そのため、海岸草原ではアリの巣を掘り起こして食べるなど、植物以外の食べ物を探していることもあります。このヒグマは、草丈が高いため地面付近で何をしているのか詳細はわかりませんが、食べることのできる草本類やアリなどを探しているのではないでしょうか。知床国立公園には、フレペの滝遊歩道や知床五湖遊歩道があり、散策中にヒグマに遭遇することもあります。十分な距離を取り、大騒ぎをして相手を刺激することのないように、その場をゆっくりと離れましょう。

※撮影には超望遠レンズを使用しています。



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アカゲラの子育て

 今年は、アカゲラの営巣が多くの場所で確認できています。駐車場や道路脇、各遊歩道などで人目に付くところでも平気です。そんなアカゲラのご一家宅へお邪魔してきました。すでにヒナの鳴き声が巣穴から外に漏れているので、巣立ちも近いご一家でした。食べ盛りのヒナのために10~20分間隔で親鳥が餌を運んできます。運んでくるとヒナたちのテンションはMax。鳴き声が大きくなります。たくさん食べて早く外の世界へ旅立てるといいですね。



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