ウトロにも今シーズン初の流氷がやってきました。車で移動中、海岸線が白く埋まっていると気分が高揚しますね。まだはぐれ氷のため大きなものはなく、昨日までは波も高かったこともあり、揉まれてかなり小さなサイズの氷になっています。入り江を埋め尽くすほどの量はなく、海岸線から沖合50m~100mくらいを覆っている状況です。そんな中、黒いものを見つけました。ゴマフアザラシです。こちらも今シーズン初遭遇。小さな氷の上で横になって昼寝をしたいのでしょうが、周囲が気になってキョロキョロ。最終的には周りに何もいなかったんですが、驚いた様子で海の中に消えていきました。この冬の流氷シーズン、どんな生き物たちに出会えるか楽しみになりますね。
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カテゴリー: 風景
ワシたちがやってきた
10月中旬以降、ワシの渡りが見られるようになってきました。1時間に100羽以上通過する日もあったようです。河川周辺では、遡上して産卵を終え死んでしまったサケが川岸に打ちあがっています。そうした死骸をワシたちがよく食べます。今朝もたまたまオオワシの成長を見つけました。夢中で引きちぎって食べていました。これからの冬シーズン、ワシの観察が楽しみになりますね。
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藤川
フレペの滝遊歩道再整備
10月28日、29日と11月5日、6日の4日間で「たまには山へ恩返しin知床」が行われました。何をしたかというと、雨水や人の利用による浸食した遊歩道の一部を再整備するというものです。普段利用している自然ガイドなどが集まって、大雪山 山守隊の岡崎さんに指導していただきながらスロープや階段を作っていきました。取り掛かれた場所はごく一部ですが、以前よりも歩きやすい遊歩道になりました。皆さんもフレペの滝遊歩道を歩きに来ませんか?
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藤川
知床 硫黄山新火口
2020年7月の羅臼湖
7月に入って、あまり雨が降っていません。その影響か、羅臼湖登山道にある二の沼が干上がりかけていました。雪解け水や雨水が主な供給源で河川や地下水供給がないため降雨量が少ないと干上がってしまうことがあります。あと数日もつかどうかというところでしょうか?三の沼は地下水供給があるため水位が一定です。周辺の湿地ではモウセンゴケの花が見ごろを迎えていました。食虫植物であるモウセンゴケは葉がしゃもじ型をしていて粘液があります。その粘液で小さな昆虫を捕らえて消化していきます。よく探してみるとエゾルリイトトンボが身動きできなくなっていました。ハイマツ帯では、マツの実が豊作で、ギンザンマシコの姿を見ることができました。日本では、北海道の高山帯で観察できる野鳥です。なかなか遭遇しないレアな鳥なので、ラッキーでした。くちばしが丈夫なためマツの実の殻を剥いで中の種子を食べていました。
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藤川
2020年初羅臼湖トレッキング
本日、今シーズン初の羅臼湖へ行ってきました。例年よりも雪の少ない年だったため、雪解けが早く進んでいて登山道のほとんどが出ていました。桜もだいぶ咲いていて6月中にはすべて咲き終わるのではないかと思います。ヒグマの足跡も複数あり活発に活動しているようです。五の沼に行く途中で雪の重みでしょうか?木道が1か所壊れていました。まだ花は少なかったですが、ヒメイチゲ、ミツバオウレン、コミヤマカタバミ、ミヤマスミレ、エンレイソウを確認できましたよ。これから他の植物もいろいろと咲いてくるので楽しみですね。
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藤川
オロンコ岩花盛り
ウトロの港にある大きな岩。オロンコ岩の上では、さまざまな野草の花が観察できます。知床半島では、エゾシカの増加に伴い、多くの野草が姿を消しました。オロンコ岩の上は、エゾシカが侵入できないため多くの植物が残されたレフュージュアとなっています。雪解けから2週間ごとに花が入れ替わるため見逃してしまうものもたくさんあります。気になる方は是非、登ってたくさんの花々を観察してみてください。
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藤川
知床の原生林の春
今月上旬の原生林の様子です。例年だと標高300m付近はまだまだ雪深く、スノーシューが必要な場所ですが、今年は、冬の少雪の影響ですでに雪が融けてなくなっていました。原生林内を走る「枯れ沢」も6月中旬まで流れがあるはずが、すでに枯れ。7月中旬まで水がある沼も干上がってしまっていました。ここで暮らすエゾサンショウウオやエゾアカガエルにとっては、産卵場所を失っているため大きな影響が出ているのではないでしょうか?逆に沼の中に点在して生育しているヤチダモはしっかりと種子を落とし、たくさんの稚樹を育んでいました。春に水のない沼からの羅臼岳の景色は、なかなか見ることができないので、ラッキーでした。
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藤川
ウトロから大雪山系
数日前に撮影した動画です。冬から春にかけて気温が低く、大気が澄んでいる日にウトロから遠くの山々を見ることができます。それは、大雪山系です。直線距離で約180kmも離れていますが、遮る山体がないため見えることがあります。年間に何回も見る機会はありますが、ここまではっきりと確認できる日は多くありません。気が付かない人の方が多いのではないでしょうか?双眼鏡や望遠レンズで確認してみると真っ白な山々が綺麗に見えていました。春は午前中にしか見えませんので、気になる方は水平線を眺めてみてはいかがでしょうか?
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藤川
知床横断道路開通2020
今日、午前10時から知床横断道路が開通しました。しばらくの間は、通行可能時間帯が10:00~16:00となっていますので、ご注意ください。本当は、昨日開通する予定でしたが、前日に降雪があったため今日になりました。さっそく知床峠まで行ってみると、天気も良く、国後島がくっきりと見えていました。駐車帯は新型コロナウイルス対策として、駐車スペースに間隔が設けられていて1台おきに駐車できるようロープで規制が行われていました。早く終息して、たくさんの皆さんに綺麗な景色を楽しんでいただきたいですね。
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藤川